理想の

シチュエーションってありますよね。
ないですか。
ありますよね。
公園の木陰にあるベンチに腰掛けていると、木漏れ日がいい感じに降り注いできて、なんだか気持ち良くなってきちゃって、うたた寝なんかしちゃって。
しばらくして目を覚ますと、膝になんだか違和感があるなと。
なんだろうなと目をやると、びっくり、猫ちゃんが膝の上で丸くなって、スヤスヤと眠っているじゃないですか。
猫ちゃんは気持ちよさそうに全く目覚める気配もなく、そこに居座り続け、こっちとしても、参ったなあ、これじゃあ動けないじゃないか、困ったなあ、なんて言ったりしちゃって。
しかしながら、まんざらでもない、ある晴れた昼下がり。
なーんてね。
しかし、現実はどうですかね。
公園のベンチなんて、場所によっては材質が腐食したりしていて、とてもじゃないですが座れないってのもありますよね。
例え座ったとしても、くつろぐ事なんて出来ず、逆に疲れそうですよ。
腰痛持ちにはキツい。
木陰って事は自然豊かな場所なんでしょうね。
絶対虫とかいますよね。
そういった存在の気配を少しでも感じれば、うたた寝なんて無理ですよ。
気になって仕方がない。
眠れたとしても、目覚めた頃には全身虫さされ地獄。
そして、そういった時にやってくる猫に限って、きっと恐ろしく汚いんですよ。
臭いし、痒いし、もうタイヘン!
・・・・・・。
現実ってそんなもんですよね。
なんという、理想とのギャップ!
しかし、人生というものは、そんなギャップとの闘いなのかもしれない・・・。
おわり。