ラジアータストーリーズの感想

ラジアータ ストーリーズ
スターオーシャン」シリーズや「ヴァルキリープロファイル」などの秀作RPGを世に送り出したトライエースが手掛けるオリジナルRPGです。
177人もいる個性的な仲間と、ノリのいいあったかい世界観がとても好印象。
このゲームはタイムスケジュールシステムといって、この世界で暮らす全てのキャラクターたちがそれぞれの生活パターンをもっています。
みんなそれぞれ違う行動をしているので、気になるキャラクターをただひたすらストーキングするってのもアリです。
普段じゃ見ることのできないキャラクターの素顔を見ることができるかもしれません。
このゲームのひとつの醍醐味です。
それと面白いのが「蹴る」システム。
主人公は非常に足癖が悪く、宝箱を蹴って開けます。
石ころや、家具を蹴ってるとアイテムを発見することがあります。
蹴れるのはモノだけではありません。人も蹴ることができます。
当然、人を蹴れば怒ります。そして、2度蹴ればなんと戦闘開始なのです!
戦えない人は兵士を呼び戦闘。腕に覚えのある輩は直接戦闘です。
中にはかなり強い敵もいたりして、返り討ちにあうこともよくあります。
その度に思うのです。いつかこの借りは返すぜ!その時まで首を洗って待ってやがれ!と。
世界最強になるべく、また町を蹴り荒らします。
世界最強に興味がなくても、むかつくアイツを蹴る!
生意気なアイツを蹴る!
女ったらしのヤツを蹴る!
団長を蹴る!
隊長を蹴る!
大隊長を蹴る!
道具屋を蹴る!
本屋を蹴る!
村の長を蹴る!
姫を蹴る!
みんな蹴る!
もう、やりたいホーダイなのです。
ストーリーはこんな感じ。引用で。

世界の中心に位置する人間の王国ラジアータ。そこには、決して仲が良いとは言い難いが、なんとか均衡を保ち共同生活しているエルフ、ドワーフ、ゴブリンなどの妖精族が住んでいた。かねてからの夢だった王国騎士団の見習い騎士としての任務につけることになった主人公の少年・ジャックだったが、そんな折、人間と妖精との大戦争が始まってしまい、ジャックは否応無く哀しみの戦いのさなかに身をおくことになるのだった…。

そんな世界で主人公のジャックは人間、妖精と関係なく仲間を増やしていきます。
パシられたり、決闘したり、毎日話しかけたりし、仲間を増やしていくのです。
条件が厳しい仲間もいたりして、結構だるい目みたりするんですけど、これもこのゲームの醍醐味なんです。
ジャックはゲームの中盤で、人間側につくのか、妖精側につくのか判断を迫られる場面があります。
おれは何の気なしにヒロイン・リドリーを追いかけるようにして、妖精側につきました。
その後、それがなんて浅はかな考えだったのかと思い知らされました。
一人の女性のために世界を敵にまわすなんて、なんてカッコいいのか!とは到底思えません。
妖精側につくということは、今まで苦労して仲間にした人間達との決別を意味しています。
そして、今までモンスターがいた場所には敵として知った顔がウロウロしています。
今度は蹴る間もなく近づくと、戦闘開始です。
かつて一緒に戦った馴染みのあるキャラ相手に剣を振り下ろすことの切なさ、やるせなさといったら、もう、たまりません。
仲間を裏切るつもりなんてなく、ただ彼女についていったという覚悟の少なさが生んだ後悔、このゲームで味わうことができます。
妖精側についても、たとえ人間側についても、救われるエンディングは望めません。
これは、争いから生まれるものは悲しみしかないという教訓なんでしょうか??
辛いものでしかありません。
できれば、ジャック、リドリー、団長が一緒に笑って終われるようなグッドエンディングがなかったものかと残念な気分になってしまいます。
人間編、妖精編ときて共存編じゃゲームにならないですかね。
とにかく、システムや分岐などよくできていると思います
このゲームは2005年で最もやってよかったと思えるものです。