ワールドデストラクションの感想

クリア後の感想です。
今回はゆっくりプレイしたつもりだったんですけど、思いの外早くクリアしちゃいました。
内容的にはかなり物足りないって感じでしょうか。
しかし、その内容量以上に、物足りないのがシナリオでしょう。
結局の所、最後までこのシナリオについて行く事が出来ませんでした。
このゲームのテーマは「世界撲滅」で、腐りきった世の中を撲滅してしまえ的な感じでいいと思います。撲滅というのは浄化みたいなもんで、全てを無に返すと考えたほうがいいでしょうかね。多分。その世の中というのは、人間が獣人によって支配され、差別を受けたり、一方的に搾取されたり、といった世界です。おまけに、砂漠は広がり、様々な天変地異が人々を脅かしている、そんな世界でもあるようです。そして、そんな世界を憎み、うわごとのように世界撲滅と口にし、獣人共を始末しているのがこのゲームのヒロインです。しかし、腐った世界といっても、人間に対して優しい獣人もいれば、調和は試みようとする人たちや、同じ世界で強く生き抜こうとする人々もいたりと、幾つかの希望も見えるんです。それにもかかわらず、彼女は世界の撲滅へとひた走るのです。そんな彼女の過去にはいったい何があったのだろうと、当然語られるだろうと思ったんですが、最後まで詳しく語られる事はありませんでした。機会はあったんですよ。仲間の過去が次々と明らかになる回想シーンのようなものはあったんです。しかし、彼女だけはなかったんですよ。撲滅の道へと走らせる原因を作ったなにか壮絶な過去があったはずとは思うんですけど、それが語られなければ、ただのアホに見えてしまいます。それに付き合う主人公や、他キャラも同じです。
それに、やはり「世界撲滅」はピンときません。「悪い獣人を倒して人間を救う」のではなく、悪い状態にある世界を破壊するというのが、この物語でしたからねえ。まあ、確かに腐った世界ではあるんでしょうけど、他のRPGをプレイしてると特に違和感のある世界といった感じはしなくて、むしろ、ゲームとしては普通と言ってもいいような設定なので、プレイヤーとしては世界を救う方が通常で、「世界撲滅」なんていつもなら敵の役割ですから、やはりそういった所で違和感を感じるんじゃないでしょうかね。斬新と言えば斬新なんですけど、その設定に納得出来るだけの説得力のようなものはプレイしてて感じ取る事はなかったですね。
そんなわけで、シナリオについては加藤正人氏という事で期待していただけあって、すごく残念でした。もしかするとアニメの方を見て情報を補完するんじゃないかと思ったんですけど、それはそれで、ダリぃ。
そういえば、今回の加藤さんは「シナリオデザイン」となってましたけど、ただの「シナリオ」とはどう違うんでしょうかねえ。
次にシステム面ですけど、こっちの方がきついでしょうか。
イベントシーンではキャラがボイス付きでしゃべりまくるんですけど、このボイスがスキップできないんですよね。イベントシーンと言っても、別にムービーが挿入されるってわけでもないですから、声をスキップしたところでそんなに支障はないと思うんですけどね。他にもいろいろあるんですけど、とにかくいろんな部分で配慮に欠けてたと思います。素人が作ったゲームじゃないんですから、その辺はもう少しどうにか出来たんじゃないでしょうか。
それと、最後にバトルなんですけど、あえて言うと最悪でした。購入前にホームページを見た限りでは、ツボを抑えていて、戦略性が高そうで、いいとこ取りなシステムだと、すごく楽しみにしてました。しかし、実際のところはテンポが悪く、使用キャラのパラメータによって極端にゲームバランスが左右されるものでした。やたらと敵の行動ターンが長くイライラする事もよくあり、キャラの攻撃力次第でダメージ0だったり瞬殺出来たり、命中力が足りなければ全く攻撃が当たんなかったり、極端すぎです。それに、複雑なシステムの割には一つの攻撃でゴリ押し出来きちゃって、戦略もクソもありません。そのくせ、エンカウント率は高いですからどうにもダルイです。ダンジョンの謎解きしてる間にエンカウントしまくりで舌打ちしまくりでした。
音楽は相変わらずよかったですね。戦闘の曲もゼノギアスを彷彿させてなかなかいいですし、あの場所とあそことあの辺の曲もよかったです。予約特典のCDにはどの曲が入ってるかすごく気になってきます。しかし、やはりあのオープニングの曲にはポカーーーンでした。
この辺からすでに微妙な感じで、結局、ゲーム全体が微妙な雰囲気になってしまいましたね。
ええ、微妙なゲームでした。

ワールド・デストラクション ~導かれし意思~

ワールド・デストラクション ~導かれし意思~