春っつう事で、

久々にねこちゃんを目撃。
しかも2匹。
もちろん接近。
しかし、何か様子がおかしい。
よく見てみると、片方のねこちゃんがもう片方のねこちゃんの上に乗っている。
その表情はどこか恍惚としている。
息を殺して近付いているせいか、逃げないねこちゃん。
いや、おれの存在なんて関係なくその場に留まりたいのかもしれない。
とにかく、それを見つめるこっちの心境は複雑だ。
おれにとってねこちゃん、いや猫は、ピュアでイノセンスな存在。
そして、それに接するおれ自身は完全に子供に返っているのだ。
そんな子供に突きつけられた生々しい現実。
一体、何を思えばいいのだろうか。
色々と考えた結果、携帯電話を取り出すおれ。
しかし、その瞬間、猫は「それは勘弁」と言わんばかりに逃げていった。
なんて野暮で不埒な事をしようとしていたんだ、そう大人のおれは思ったのだった。
完。